骨 法 伝 説
夢必殺拳
STORY  「最強の戦闘能力を備えた八大戦士を指揮し,美女,火神子を奪おうとする大蛇王。その火神子を死守しようと凄絶なる戦いを見せる骨法戦士,夢火古!! 古代日本から伝わる骨法の52代師範,堀辺正史氏の取材協力を得て一撃必殺の骨法の技を次々と展開!!」
COMENT  のちのバイオレンスジャックで大きなカギを握ることになる火神子と夢彦の初出作品。壮大な豪キャラサーガの主脇役としてこの2人を起用したことは,骨法の神秘なパワーに対する豪氏の興味がひときわのものであることによると思われる。
「月刊少年マガジン」(講談社)1987(昭62)1月〜8月号に掲載。

月刊少年マガジン(講談社)1987(昭62)1月号新連載

見開き扉(未収録)
KCスペシャル 全1巻(講談社)1987

あとがき  日本で生まれた,日本独自の民族拳法である“骨法”にふれて,この作品を創作しました。マンガで書くに当たって多少オーバーになった部分もありますが,事実,骨法は日本人が誇りに思える優れた拳法です。技を支える理論も納得のいくものでした。
 古代「手乞(てごい)」と呼ばれた拳法がそのルーツなのですが,枝分かれしたひとつは「相撲」になり,もうひとつの枝は大伴家持の甥,大伴古麻呂によって引き継がれ「骨法」となりました。千五百年もの歴史を持つ一子相伝の武術です。作中に触れたとおり,「骨法」と呼ばれるようになったのは奈良時代のことで,この作品の舞台となった古代にはむろん「骨法」と呼ばれていなかったし,作中の技も52代師範が創り直した「近代骨法」の技を使っています。
 さて,最近『歴史読本』の編集者が,堀辺正史氏の唱える「骨法」の歴史についての調査を始め,平安時代末期の書物「中右記」に骨法に関する文章を発見しました。
 その文は,源義家の家臣で相撲の最手(ほて,今でいえば横綱)である大宅光房についてこう批評しています。
 「‥‥すこぶる強力の聞こえありといえども,まだ骨法の体なきか‥‥」(大宅光房は,たいへん強いといわれているが,もっと骨法の技を身に付けねば‥‥)。当時の骨法と相撲のの関係がわかる文章です。堀辺家に伝えられた骨法の歴史の研究は,今はじまったばかりなのです。
永井豪

講談社漫画文庫 全1巻(講談社)2002.11.12

15年の時を経て骨法伝説が復活した!
表紙描き下ろし,加筆・再編成が加えられ,豪ちゃんのあとがきも新たに書かれた。
「骨法武術館訪問記」は、巻末に26pまとめられた。 この頃の作品では最も迫力のある豪絵が楽しめる作品だっ。

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