ごく普通の，芸能界に憧れている少年が，不可解な謀略に巻き込まれ，知り合った仲間たちと共に凶悪に立ち向かっていく‥‥そう，これは誰でも知っているあのヒーロー‥‥「桃太郎」の現代版アドベンチャーストーリーです。しかし，「おとぎ話」ではつまりません。この作品は現代の日本のダークサイド（諜報戦争，新興宗教など）を描いていくことによって少年アクションムービーをサスペンス溢れるスリラーとしても成立させていきます。
　また，凡庸の「ＳＦＸ映画」ごとき，これ見よがし的なものでない，特殊視覚効果を駆使してクライマックスを盛り上げていくファンタジーでもあるのです。
　出演は，様々なアクションを繰り広げながら，悪に立ち向かう少年たちを救出していくキザな男に「冬の花」「刑事物語２」の三浦洋一。現代の桃太郎として「鬼」に決死の戦いを挑む少年，太郎にフレッシュな演技が魅力の藤原秀樹。悪の頂点，ローカイ大佐に「私をスキーに連れてって」「ファンシイダンス」などでおなじみの竹中直人。ほか，小野みゆき，佐々木功，小林克也，谷　啓らが共演。さらに「！（ai-ou）」で独特なキャラクターが印象的だった大槻ケンヂが友情出演し，作品の幅の広さを際立たせています。脚本は「地球防衛少女・イコちゃん３」の小中千昭。監督はパワフルな新人，石井てるよし。
　思春期の入り口に立って揺れている中学生にスポットをあて，恋愛，遊び，受験，悩みなど，多感な年頃の内面を捉え，日本にかつて無かったようなアクションスリラーで，そんな“ミッシング・リンク”である彼らを生き生きと描く‥‥そんな映画が誕生しました。

不可解な信号音‥‥
　雅之とエコープロを訪れた太郎は，謎の信号音を聞かされ，トランス状態に陥ってしまった。それ以来，怪事件が頻発し，太郎は行く先々でその音を聞かされ，意味不明の言葉を発するようになる。事態はにわかに緊張の度合いを増す。

太郎と桃太郎‥‥
　太郎の言葉は，古代カムラ語だということが判明し，さらに驚くことに太郎は“桃太郎資質”の持ち主で，怪信号によって，それが目覚めようとしているのだという。さらに，人類に先んじる先住民族として「鬼」が存在していたと‥‥。

美香を救え‥‥
　ついに美香が信輝会に誘拐されてしまい，覚醒しつつある太郎は信輝会の車を自転車で追うがその速さは超人的スピードである。しかし力及ばず取り逃がしてしまう。

ついに信輝会へ‥‥
　苦難の末，太郎と雅之は信輝会本殿へ乗り込んだ。そこは東カムラ共和国の工作機関であり，ローカイ大佐（竹中直人）が鬼の細胞をバイオ・チップと化し，人類に先んじた民族の記憶を蘇らせて，世界統一の野望を成就せんと図っていたのだ。ついに鬼が復活！そして太郎の「桃太郎」も覚醒！戦いの火蓋は切って落とされた!!