永井豪天才マンガ家の作り方教えます! 永井豪、初の自伝的エッセイ 豪氏力研究所

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『永井豪と愉快な仲間(1)〜SF作家クラブ〜 日本SF作家クラブは、純粋に親睦を目的とした組織で、法人でも営利団体でもない。だから逆に、メンバーが認めた人しか入れず、推薦人が2名必要ということになっている。普通は、SF作品を発表して高い評価を得た人が、メンバーの誰かが推薦されて入会に至る、という流れだ。でも僕の場合は、SF作品を描く前から知り合いになっていたし、「なんとなく気に入られて入っちゃった」という感じがしなくもない。


「おお、ハレンチのか!」
 友人・知人はたくさんいるけれども、中でも会員である「SF作家クラブ」の皆さんとは、すごく楽しいお付き合いをさせていただいている。SFテーマの作品も多い僕だから、今となっては何の不思議もない。だけど、僕がSF作家の人たちと知り合ったのは、ストーリーものさえまだ描いたことがない、ギャグマンガ一辺倒の頃だった。

『ハレンチ学園』の連載中、まだ騒動の余韻さめやらぬ1970年。「TOKON5」という、東京で5回目の日本SF大会(SFファンのコンベンション)が開催された。もともとSF好きの僕は、兄の泰宇と一緒に遊びに行き、そこで筒井康隆さんに初めてお会いした。そうしたら筒井さん、「おお! 『ハレンチ学園』の話題の主が来た」と大喜びして、他の作家の皆さんにも「アレは面白いよ!」と紹介してくれた。筒井さんは「小松左京さんが近くのホテルにいるから、会いに行こう!」と、豊田有恒さんと一緒に連れていってくれ、小松さんも、「おお! ハレンチのか!」と歓迎してくれた。

 その夜は、とにかく楽しかった。「もっと女の子のオッパイを大きくしろよ」と小松さんが僕に言うと、「いや、あれは小さいからいいんだよ」と筒井さんは真面目に反論した。矢野徹(てつ)さんというSF界の重鎮もいらっしゃったが、相当酔っぱらっていて、僕はからまれるわ、無理矢理キスされるわ。またその時、会場にいた若い女性のSFファンに、「着ているTシャツにサインしてください」と頼まれた。まだ若かった僕がどぎまぎしていると、筒井さんが「オレが前にサインするから、豪ちゃんは背中な」と言って、嬉しそうに胸にサインしていた。その女性が、のちに鏡明さんの奥さんになったものだから、さあ大変。そんなわけで、すっかり僕はSF作家の人たちとなじんでしまった。

 その「TOKON5」で、ギロギロと恐ろしい目であたりを見回しながら、大騒ぎしている男がいた。当時まだ法政大学の学生だった、高千穂遙だ。僕のファンだった彼は、それから間もなく僕の最初のファンクラブを作ってくれて、筒井さんが名誉会長をやってくれることになった。そのファンクラブからは、嬉しいことに、多くのプロのイラストレーターや作家が生まれている。

 SF作家の皆さんとお付き合いするようになって、数年たったある日。高千穂遙が、僕にいい情報を持ってきてくれた。「小松さんと豊田さんが、TVの仕事でマヤ・アステカのピラミッドを見に行くそうですよ。観光じゃ行けないところへも行けるんだそうです。一緒に行ったらどうですか?」。それは面白いと、兄の泰宇と取材旅行に乱入することにした。ちょっと遅れてメキシコで合流し、2週間ほど南米のジャングルを探検した。市街地を離れると、どこまでいっても鬱蒼としたジャングル。暗く細い道を延々と車で進んでは、ピラミッドがある場所に来ると宿を探したりキャンプしたり。実に楽しい旅行だった。


手塚治虫先生以来!
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サンディエゴで行われた、コミック・コンベンションに参加。
 その南米旅行から帰ると、小松さんと豊田さんから連絡があった。「SF作家クラブに入らないか。筒井さんも推薦人になると言ってるよ」。なんでも、漫画家では手塚治虫先生に次いで2人目とのことだった。僕は喜んで、この楽しい人たちの会に参加させてもらうことにした。日本SF作家クラブは、純粋に親睦を目的とした組織で、法人でも営利団体でもない。だから逆に、メンバーが認めた人しか入れず、推薦人が2名必要ということになっている。普通は、SF作品を発表して高い評価を得た人が、メンバーの誰かが推薦されて入会に至る、という流れだ。でも僕の場合は、SF作品を描く前から知り合いになっていたし、「なんとなく気に入られて入っちゃった」という感じがしなくもない。その後僕は、1996年から2000年まで、第9代の会長を務めることになった。

 僕が日本SF作家クラブに入会した当時は、星新一さん、小松左京さん、筒井康隆さん、豊田有恒さん、眉村卓さんほか、そうそうたる作家が活躍していて、SF界がものすごく盛り上がっていた。そのため、新しい若い才能も続々誕生していた。僕のあとに入会してきた作家には、山田正紀さん、川又千秋さん、横田順弥さん、栗本薫さんなど。これらの作家の人たちと、全国で開催されるSF大会に参加したり、一緒に旅行したり、食事に行ったり、それは今でも続いている。特に、川又千秋さんは、僕の会社のご近所に住むようになったので、ちょくちょく会っている。

「TOKON5」に行く少し前、先輩マンガ家の方の紹介があって、僕は「日本漫画家協会」に加入した。SF作家クラブと比べると、漫画家協会は真面目な団体だ。いや別に、SF作家クラブが不真面目だというのではないけれど。「漫画家としての活動」とか「漫画家の権利」とかが漫画家協会の議題なので、みんなで一緒になって遊ぶ、という感じではない。のちに、石ノ森先生の呼びかけで「MANGA JAPAN」という新団体ができて、そちらにも参加して幹事をやったりしたけれど、こちらは今は抜けさせてもらっている。それに比べると、SF作家クラブでのお付き合いは、ずいぶん長く続いている。

 なぜ、こんなにSF作家クラブは居心地がいいのだろう。他の人たちはほとんどがマンガ家じゃないので、商売敵にならないないから──というのは、冗談だけれど。要するに、その趣旨が「仕事は関係なく、SF好きが集まって遊ぼう!」という、仲良しクラブだからだろう。過去に文壇で差別された、ということを笑い話で聞いたけれど、そのせいかとにかくみんな仲がいいし、後輩にも面倒見がいい。映画とか小説とかマンガとか、みんな趣味もよく似ている。それに揃って冗談が好きで、会うと一日中バカな話ばっかりして喜んでいる。だから、理屈抜きに楽しいのだ。

 唯一の不満は、SF作家には、一緒にゴルフに行ってくれる人が少ないところかな。というわけで、次回は同業者であるマンガ家を中心とした、ゴルフ仲間を紹介させてもらいます。


<第58回/おわり>

(c)永井豪/ダイナミックプロダクション2002-2003
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永井豪(ながい・ごう)
1945年9月6日、石川県輪島市に生まれる。石ノ森章太郎氏のアシスタントを経て、'67年『目明しポリ吉』でデビュー。'68年『ハレンチ学園』を連載開始、たちまち大人気を博し、以後現在に至るまで、幅広いジャンルの作品を大量に執筆し続けている。代表作は『デビルマン』『マジンガーZ』 『凄ノ王』『キューティーハニー』など多数。


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