天才・永井豪の 超SEX・超暴力の若者論 |
日本全国の欲求不満モンモンボーイの皆さん,お待たせしやした。オンナ,SEX,冒険,暴力‥‥すべてお任せの超SFウルトラ色っぽいコミックス『バラバンバ』が次号より連載開始だぜ。作者はあの永井豪天才。SF+SEX+ギャグ+永井豪とくりゃ,相当のご期待モノだ。で,天才がいう。「これは天才からの若者へのメッセージだ」‥‥天才の語る若者論を聞こう! |
というわけで,天才のご意見・メッセージを連載に先がけて予告篇でじっくり聞いてみよう。 天才・永井画伯,写真でみる通り,大人だか子供だか,わかんないような顔だけど,これは本人も気にしているから,この際,ハッキリ,バラしておこう。ついでに童顔秘話を一つ紹介してトドメをさしておくね。 ある日,天才は仕事場(早稲田大学文学部の近く)から目白の自宅へ帰ろうとしてタクシーを待っていた。するとパトロール中のおまわりさんがツカツカ。「ボウヤ,なにしてんの。道に迷ったの?」‥‥。 失礼な話ですね。天才は,昭和20年石川県輪島生まれの38歳なのだ!文京区大塚台小学校〜板橋高卒。某予備校中退の立派な大人です。おまわりサン! この立派な大人の天才画伯がいうには,近頃の青少年は,青少年ぽくないというのだ。 「若者っていうのは,冒険心があって,たくましくて,フロンティアスピリッツに満ちているものでしょう。だけど,今の若者はそういうチャレンジ心がないんじゃない?」 まぁーね。ボクらが無気力だって指摘はガキの頃からいわれ慣れているから,今さらムッとはしないけどね。 「ホラッ,そういう態度が若者らしくないわけですよ。悪口いわれてムカツかないのはやっぱりオカシイ。悪口いわれて堂々としてられるほど,大物じゃないでしょ。金がある,オンナにもてる,仕事もバリバリ,自信たっぷり,永井豪なんてメじゃないぜ,というほどの自信に支えられて悪口を無視しているわけじゃないでしょ」 ウッ!痛いとこつかれた。だけど,だけど‥‥ハイッ,スイマセン。もう少し話を聞いとこう。 |
「確かに逃避も一つの生き方でしょうね。楽な道を選び,決して無謀な挑戦なんかしない。与えられたワクの中でルンルン主義でいくのもいいでしょう。 だけど,若者本来の生き方って,もっとエネルギッシュのはずです」 確かに天才の描くコミックスには,暴力にしろ,セックスにしろ,行動は常に過激なエネルギーたっぷりの若者が登場する。 天才・永井豪の名を一躍,世に高らしめた名作『ハレンチ学園』の主人公,山岸八十八もエッチで正義漢,しかもパワフルな暴れん坊だった。『あばしり一家』も『デビルマン』も『バイオレンスジャック』も『花ッペ』も天才の作品に共通するのは,常にエネルギッシュな若者と過激なセックスと暴力・破壊,そして緊張感だ。 なぜ,天才の描くコミックスはかくも激しいのだろうか。 |
「激しさっていうのは生命力なんです。エネルギーの表現です。暴力もセックスも最も人間の根源的な問題ですよ。だから,ボクはその人間の根源を描くんです」 「人間は文化を作り文明を生み育ててきた。それは人間から動物という性格を消し去る作業でもあったわけです。そして,いま人間は自分が動物であることを忘れている。いい代えると自分の生き方のために闘うことを放棄している。ところがそれはブスブスと心と身体の奥底でくすぶりつづけて,人間を内からいぶし活力のないものに変えてしまう」 天才・永井豪はこういって作品の過激さ説明した。キミは自らの激情をコントロールしすぎていないだろうか。天才は付け加えた。 「落ちこぼれだっていいんです。とことん落ちこぼれりゃいいんですよ。平均点の人生なんて面白くないでしょ」 天才も落ちこぼれだった。手塚治虫の『ロストワールド』を兄に読んでもらい夢中になる。4歳の時だ。中学に入るとプロのマンガ家になることを決心。 「だから,マンガに必要なこと以外勉強なんか全然しなかった」 「20歳で石森章太郎先生のアシスタントになって(自作を見せ,その場で採用された),22歳で『目明かしポリ吉』でデビュー」 「ボクは自分の描くものに自信をもっていた。ダメだという編集者がいると,見る目のないヤツだ,と思っていたぐらいだ」 こんな自信,ボクらは持っているだろうか?自分の生きたい道をアレコレ迷わず突ッ走る‥‥。そんなパワーを。 「だから,ボクが許せないのは,人間の尊厳を傷付けたり存在を否定することなんです。他人の気持ちをキズ付け心に痛手を与えるようなヤツです」 「暴力はその限界点を超えたとき爆発する」 天才の作品『バイオレンスジャック』はその強烈な破壊と殺戮でPTAオバサンやオジサンの眉をひそめさせたが,天才によれば,「バイオレンスジャックは人間としてではなく歴史を動かす力の権化として描いたんです。そういう意味ではゴジラと同じものです」となる。 学校,会社,社会,組織‥‥ボクらは様々な管理下にある。そこでは個人としての生き方より組織の中の一人,部分として生きる生き方のほうが楽な生き方になる。 |
「世の中の仕組みや良識なんてものは,いつひっくり返るかわかりませんよ。永久に続くなんてことはないんです。いま,管理されているキミの人生だって,その管理システムの中の一つのパターンにしかすぎない。その管理を脱出すれば別の人生があるんです」 天才がボクら若者にいいたいメッセージが少しずつわかってきた。天才はこういっているのだ。大人の作った良識やシステムに安住の地なんて求めるな。若者には,夢や希望がありそれを実行するだけのパワーがあるじゃないか,それをなくして,なにが青春か,若さか!ということに違いない。ボクらが半ばあきらめかげんに「そんなもんだぜ,世の中は」というほどに世の中,狭くない。一歩,立場をずらしてみれば,違う世界が見えてくるというわけだ。 ところで,天才の36号からの新連載,どんな中身なんだろうというと,これまた,超エロティシズムにSFファンタジーがドッキング。しかも青年コメディがプラスされて,いかにもスコラ・ボーイ向きのニューウェイブコミックスなのだ。 ストーリーは‥‥。 異次元の宇宙戦争。そこから地球に逃げてきた異星人の「バラ」。彼(?)は,なんと美少女のおいしそうな肉体を借りて日本にやってきたのだ。このバラと第3次遭遇したのが,我らが「蛮馬宙太」クン。このハレンチ宙太,バラのゴックンボディを目にするや,世界初の異種間強姦。すっかりバラに夢中になってしまう。はて,この2人どうなることやら‥‥。壮大なプランを基に話は進められる。期待してくれ。 「ボクの作品の中でみんなが遊んでくれればいい。恋をしセックスをし怒り暴れロマンを夢みてくれればこんなにうれしいことはない。ボクのメッセージを受け取ってほしい」 天才・永井豪エンジン全開絶好調だぜぃ!! |
←ご自宅で愛妻・純子夫人のギター伴奏で唄われる巨匠。 夫人はエイト・ビートでナウく演奏されるが巨匠はなぜ か,どれをとっても“花街の母”風になってしまうのが スッゴク,ツライ。そう夫人はいってほほえんだ (3ページ目左上の写真を拡大掲載) この時純子さんは33歳,素敵デス! |